最近、トップ芸人さんを巡る記事で「その情報で週刊誌がどれだけ儲かっているか」というような事が言われていました。
この一件、まさに情報リテラシーが試される機会だと思うのです。
というのも、当たり前ですが、情報というのは基本的に「何らかの意図」があって、
受け手に意図が伝わるように発信されます。
けれど、時には本来の意図にあまり勘付かれたくないため、
巧妙に隠し、別の顔をして受け手にアプローチしていく場合がある。
これは普段コンテンツに触れていても感じられます。
企業はストレートに「うちの商品買ってよ」と言ってもいやらしいし、言われた方も「なんだこいつ」ってなる。
だから広告も受け手へのアプローチを間接的にして「広告主は儲けたい」。
テレビ番組だったら、視聴者の興味を惹き視聴率を上げることでテレビ局の広告収入が上がります。
つまり、面白い番組や著名人を見られる機会を無料で提供することで、「テレビ局は儲けたい」。
このあたりまでは比較的簡単に見抜けますね。
けど、この週刊誌の件は、通常だったら
「販売部数やネット上にインプ、記事販売を上げて出版社が儲けたい」という意図を
簡単に見抜くことができるのに、対象の方への注目度が大きすぎるあまり、
社会問題を提起する形をとっており、それに対して多数の人が是々非々を議論。
「出版社が儲けている」ということが見えにくくなっていたところ、
冒頭の発言が報じられ、ふと我にかえった方も多いのではないでしょうか。
記事の真偽は別問題として、こういう機会をきっかけに情報の意図を読み取る訓練をするってすごく大事だと思うのです。
広告・メディアの仕事を通じて、情報を発信する立場にいることが多いのですが、
正直、世の中の多くの情報は誰かが儲けるためのものになっているように感じます…。
一見、社会課題として報じられていることが実はマーケティングの仕掛けで、
「課題を顕在化させることでニーズを生み出す」という狙いのもと、
広告主側から積極的にメディアへ情報提供をすることも多々あります
(これはPR=Public Relationsの仕掛けですね)。
情報で誰かが儲かることは悪いことではないのですが、
あくまで受け手として「そういった意図のもと発信されているんだな」ということを
頭の片隅に置いておくだけで、情報から自分を守ることができるんじゃないかと思います。
今日、触れた情報の意図にはどんなものがあったでしょうか?
意識して過ごしてみると、情報からの防衛力が少し上がるかも知れません。
以上。